第二回 小松寅吉・小林和平作品ツアー 12
鹿嶋神社 寅吉渾身の力作狛犬
暗い参道を上っていくと、何やら得体の知れないシルエットが一対、前方に見えてくるのですが、なかなか「狛犬」とは分かりません。
寅吉や和平の狛犬を見慣れているからこそ、狛犬だと見当がつきますが、普通の人がいきなりこれを見たら、間近に行くまでは狛犬とは思わないでしょう。
これです↑
ものすごい迫力。
いわゆる獅子山ともちょっと違っています。山に見立てた部分も同じ石から彫り出しているのですね。ものすごい技術です。
また、これだけのものを彫るには、元になった石の大きさも相当なものであるはずで、費用も時間もたっぷりかかったことでしょう。
明治26年9月建立。川原田神社(天満宮)の飛び狛犬の翌年です。寅吉が最も脂がのりきっていたときの作品ですね。
技術の高さは、本当に絶句するほどですね。裏側から見た鬣の彫りなどもしっかり堪能してください。
裏側から見ると、尻尾の下あたりにはぽっかり穴が空いています。
子獅子の表情も豊かで、一匹はあとから付け加えたらしく、台座にへばりついています。
いやはや、びっくりしました。
川原田神社の飛び狛犬もなかなかでしたが、躍動感、力感ではこちらのほうが上でしょう。
社殿の木彫は文化財指定なのに、この超弩級狛犬は指定外。いけませんね。即、文化財指定ですね。
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