
これで、和平狛犬は昭和5年の石都都古別神社に始まり、6年保土原神社、7年古殿八幡神社、8年羽黒神社、9年鐘鋳神社……と、5年連続して1対ずつ造ったということが分かりました。
狛犬制作に開眼する石都都古別神社の狛犬、造形美と個性が高度に調和した古殿八幡神社の狛犬のちょうど間にはいるのがこの狛犬ということになります。
前後の大作に比べると、大きさはひけをとりませんが、彫りがやや雑な印象を受けます。しかし、デザイン的には、石都都古別神社の奔放さから古殿八幡神社の完成度の高さへと移行する過程を如実に表していて、実に興味深い存在になっています。
脚の位置は石都都古別型、尻尾は古殿型ですね。悩みながら造った「試作品」という位置づけができるかもしれません。
奉納者は保土原屋材木店で、この保土原の地から石川町に出て行って材木商を成功させたようです。