寅吉・和平の世界12
寅吉の石造り社殿
神社の境内に、石造りの小さな末社を見つけることがある。たいていは高さ1mもないような小さなものだが、寅吉は石造りの社にも、凝り性ぶりを遺憾なく発揮している。
下の写真は白河市の入方という地区にある石造りの社殿。畑に隣接する山の中に単独で置かれている。
明治27年とごく初期のもので、細部の造形はまだ荒削りだが、後の西郷神社社殿や新地山入り口の石柵などに通じるものとして注目される。
これに続いて、明治33年には石川町母畑温泉元湯の敷地内に作られた「元湯八幡神社」の社殿、明治36年には、息子の布行と一緒に栃木県大田原市の西郷神社にも石の社殿を造っている。
上の写真は母畑温泉元湯の元湯八幡神社の社殿。石造りの社殿としてはかなり大きなもので、当時、この旅館が相当繁盛していたことをうかがわせる。
私有地内にあり、一般には見ることができないが、ご主人に頼んで特別に見せていただいた。
完成度の高さでは、大田原市の西郷神社社殿がいちばんかもしれない。
国道の脇にあるが、側道を入らないと分からないので見つけにくい神社だ。入り口から奥を見ると、一種異様なシルエットが浮かび上がる↓。質感や大きさからして、最初はこれが社殿だとは気づかない。
この社殿の壁面や屋根に彫り込まれたさまざまな動物は、相当よくできている。
私が最初にこの西郷神社社殿を見たときは、まだ小松寅吉の存在を知らなかった。後から和平の師匠だと知って、納得した次第だ。
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