岩手県の狛犬(1)

 岩手県の旅のスタートは、県庁所在地の盛岡から。榊山神社の狛犬などもなかなか見応えがあったのですが、その隣の聖寿禅寺になぜか狛犬がいました。まずはその「寺狛犬」から。

■聖寿禅寺



■Data:聖寿禅寺//ο製作年月・石工など不明。ο撮影年月日・97年7月17日。

 次は市の中心部に移動して、盛岡護国神社へ参拝。
 参道入口にある大きな狛犬は昭和45年製で、いわゆる一つの量産型狛犬。面白くないので奥のほうの狛犬だけ紹介します。

■護国神社(盛岡)





 こういうのを「作家系」とでも呼ぼうかと思っています。原型を彫塑家・彫刻家などが作り、それを石工が彫るという分業の作品。作家系狛犬は年代が新しいものでもオリジナリティがある分、なかなかいいものもあります。
■Data:護国神社(盛岡)//●奥にあるほうの狛犬:ο製作年月・昭和15年4月。ο原型・中井江?(1字読みとれず)。ο製作・中村善七。ο撮影年月日・97年7月17日。


■盛岡八幡宮





 護国神社のすぐ隣にある盛岡八幡宮にはいくつもの狛犬がいましたが、目についた三対をご紹介します。
 いちばん上の狛犬はやたらと高い台にのっかっていますが年代は新しそうです。
 真ん中のは昭和7年製作のもの。顔が小さめで胸を張ったものですが、護国神社系というよりは「虎」に近い風貌。もう一つ、下の段のは大正13年建立ですが、これも高い台にのっていて撮影困難でした。
■Data:盛岡八幡宮//●1(写真上段):ο製作年代等不明。台がむやみに高い上に銘が読めず。●2(写真中段):ο製作年月・昭和7年12月。ο石工・第12代中村武二。●3(写真下段):ο製作年月日・大正13年9月15日。ο奉納者・市内内丸吉田他人吉田組。ο撮影年月日・97年7月17日。

■盛岡天満宮

 盛岡天満宮は市内の目立たない一角にあり、参道は小さな山に登っていくような形になっています。

 うっかり見過ごすところでしたが、ここには「円丈本」(三遊亭円丈・著『ザ・狛犬コレクション』(立風書房)にも載っている「啄木狛犬」がいます。
 石川啄木が「夏木立中の社の石馬も汗する日なり君をゆめみむ」と詠んだことで有名になった素朴な「江戸はじめ」タイプ。高畑源次郎の作と伝えられ、昭和8年に台座の上にのせられたと記録されています。

 この神社、隣のキツネも面白く、他にもいろいろ不思議な石の置物があります。
■Data:盛岡天満宮//ο製作年代不明。ο石工・高畑源次郎(伝)。
  

次へ続く
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