第4回 小松寅吉・小林和平作品ツアー 2

大黒像の旅2

吽  阿
ここから論田という山の中の村を通って古殿町山上へ。そこの東禅寺に和平の地蔵菩薩像があるはずです。
途中、山の中の神社をチェックしていくはずでしたが、なかなか見つかりません。
これは重殿明神社という神社にいた狛犬。作者不明ですが、昭和17年旧9月建立。戦時中の建立ですね。
子獅子の上に伸ばした前脚が浮いているのが渋い。
ここにも大黒像がありました。平成の建立。新しいとやはり味がないですねえ。
前の田圃では、雨の中、刈ったばかりの稲を見に来ている農家の人がいました。
重殿神社の大黒 

天澤山東禅寺 地蔵菩薩像

東禅寺の地蔵菩薩像には和平の銘は見あたりませんでしたが、お孫さんの和喜氏の証言などから和平の作品であることは間違いないそうです。
このお寺には、他にもたくさん石像やら灯籠やらが林立しています。
昭和13年、和平56歳のときの作品。顔が妙にリアルですねえ。
昭和13年というと、和平は他に、石都都古別神社の五重塔、王子八幡神社の泉重左衛門像なども彫っており、忙しい年だったようです。太平洋戦争がすぐ目の前に迫っており、日本は大正デモクラシーなどの自由な文化を謳歌する風潮が消え、全体主義に走っていた頃ですね。
 
■Data:天澤山東禅寺 地蔵菩薩像(福島県石川郡古殿町山上)
ο建立年月・昭和13(1938)年9月24日ο石工・銘見あたらず
ο撮影年月日・2004年10月8日。

古殿八幡神社 6度目?の訪問

古殿八幡神社の狛犬
古殿八幡神社を訪れるのはこれで何度目でしょうか。もう分からなくなってしまいました。
いつも、ここにたどり着くときは日没寸前で、きれいな写真が撮れず悔しい思いをしているのですが、今回は初めて日中に到着したというのに雨。
幟が立っているなあと思ったら、明日から祭りだそうです。村の人がやってきて準備をしていました。颱風が来るというのに大変だなあ。
 
雨の中で、レンズにもどんどん水滴がついていきますが、せっせとシャッターを押しました。やはりこの狛犬はすごい。和平狛犬の最高傑作でしょうね。
相変わらず、宮司さんには「唐獅子が珍しくて東京からくる人」と言われましたが、唐獅子が珍しいわけじゃないのよ。
   
気になるのは、見るたびに傷みが進んでいることです。
阿のお尻の傷などは、前にはなかったものです。阿の顔、左目のあたりもずいぶん摩耗が進んだような気がします。
なにかうまい保全方法はないものでしょうか。石を傷まないようにするコーティング剤のようなものはないんですかね。
■Data:古殿八幡神社の狛犬(石川郡古殿町)
ο建立年月・昭和7年10月15日
ο石工 石川郡沢田 彫刻師 小林和平  ο撮影年月日・2004年10月8日。



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