小松寅吉・小林和平の作品を見に行く 2
今回のツアー出発地に選んだのは、須賀川市の牡丹園です。ここに小林和平の師匠・小松寅吉の作品「踊」「鶏」「唐獅子」があるということでしたので。
須賀川牡丹園
須賀川牡丹園は、牡丹の開化時期以外は入園無料の静かな公園です。
午前中、散歩する人もなく、入り口付近でみつけたおじさんに「小松寅吉の彫った石の鶏、唐獅子などはどこにあるんでしょう?」と訊くと、「あの大きな欅の裏側あたり」とのこと。
そこには、アメノウズメノミコトと鶏の彫刻が確かにありました。
吉田さんからの情報では「踊」という題名になっていましたが、どうやら「踊」はアメノウズメノミコトのことのようです。
なるほど、なかなか面白い作品ですが、さて、唐獅子はどこにいるのでしょう。
奥の牡丹稲荷神社に行ってみましたが、小さなキツネがいるだけで唐獅子はいません。
ぐるっと探しながら歩いていると、小さな社があり、そこに1頭だけいました。
↑小さな社とそこに1頭だけいる獅子
見つけました。
しかしまあ、寅吉の作品だと言われなければ見落としているような狛犬です。
確かにうまいのですが……。
こんなもんなのかなあ、いや、そんなはずはないのでは?
……と訝りながら帰りかけていたとき、何かに呼びかけられたような気がしてそちらを見ると……うわ!
花壇の中に巨大な獅子がいるではないですか! しかも一対。
でかいです。猫と比べてみてください↑
これが寅吉の唐獅子ですね。牡丹園の唐獅子で、まさに「唐獅子牡丹」。
とすると、さっきの狛犬はもしかしたら寅吉ではないのかも?
子獅子なども実に細かく生き生きと彫られていて、さすがは和平の師匠だと感嘆しました。
しかし、これだけの大作なのに、牡丹園の園内案内図にはまったく出ていません。入り口駐車場脇にある「牡丹姫」とかいうくだらない像には解説まであるのに。文化とはなんなのか、まったく分かっていないんですね。困ったものです。
須賀川牡丹園を訪れたら、この唐獅子を必ず見てください。入り口を入って反時計回りに歩いていくと、右手の花壇の中にいます。地面に這いつくばっているので、見落としがちです。
■Data:須賀川牡丹園(福島県須賀川市):
●アメノウズメノミコト像:
ο建立年月・不明。ο石工・小松寅吉布孝。
●鶏像:
ο建立年月・不明。ο石工・小松寅吉布孝。
●唐獅子一対:
ο建立年月・不明。ο石工・小松寅吉布孝。
ο撮影年月日・04年3月25日。
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