第二回 小松寅吉・小林和平作品ツアー 11

不動明王   
和平の作品は石川町を中心に広く点在していますが、ここは地図にも載っていない「小野公園」という場所。
このへんは、昭和の初め頃、石川と白河を結ぶ「白石鉄道」を建設した場所だそうです。途中で会社が倒産し、結局完成しなかったそうですが、ところどころに線路跡がまだ残っているとか。
その斜面にぽつんと和平の彫った不動明王像があります。昭和10年の作。
これも吉田さん情報がなければまず見つからなかったですね。

次は、前回見逃したものの中では大物?であるらしい、鹿嶋神社の狛犬(寅吉)です。
入り口には「神殿の彫刻」が町の指定文化財である旨を説明した看板がありますが、ここでも狛犬は無視されていました。
鹿嶋神社  入り口の看板
神社に入る前に、隣の墓地にある鶴の彫刻が目に入りました。
遠目にもすごい仕事だとすぐに分かる出来。
先にこの墓地(佐久間家一族のものがほとんど?)を見てみましょう。
墓地  鶴の像   
墓石の上に鶴を置いたり、下が亀、上が鶴で墓石を挟んだり、まあ実に凝ったものがいくつもあります。これらもみな、寅吉工房の作品ではないかと思います。
では、いよいよ狛犬を見に社殿へ……。
参道  灯籠  灯籠の銘
鬱蒼とした参道の横には、やはり細工を凝らした灯籠などがありました。台座の銘を見ると、「石工 福貴作 梅沢敬明」とあり、これは明らかに寅吉工房の作……と思ったのですが、その後、吉田さん情報によれば、梅沢敬明氏は寅吉とは無関係とのこと。
富山県生れで、奥さんの生家が福貴作にあり、戦後、福貴作に移ってきた石工だそうです。芸大で彫刻を学んだという変わり種のインテリ石工。調べてみないと分からないものですね。

この先に、いよいよ問題の狛犬が……。

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