栃木の狛犬(5)


大平山神社(栃木市平井町)


山頂の大平山神社には、4対の狛犬がいます。本殿前でいちばん目立っているのは平成9年建立のもので、これは全然面白くないですねえ。
平成の狛犬
↑悪いけれど、この狛犬は無視して(^^;;、横にいる小さなほうを見てみましょう。 これはずんぐりむっくりしていて、年代は特定できませんが、翌日回った東箭(とうや)神社の狛犬に非常によく似ています。東箭神社の狛犬は文政9年ですから、恐らくこの狛犬も文政年間あたりでしょう。↓
大平山1 大平1 阿像

表から見ているだけだと見落としがちですが、実は本殿内に木造の狛犬が、拝殿横にも別の狛犬がいます。
大平山神社2の吽 大平山神社 2の阿
↑この狛犬は前回訪れたときにも撮影しています。なぜ正面ではなく、こんな場所にひっそり置かれているのか、不思議に思ったものです。で、前回は日没寸前で吽像にしか気がつかなかったのですが、拝殿の裏側(というか中というか)に、ちゃんと片割れもいるんですね。今回はきちんと対で撮影しましたが、台座の年号は読みとれませんでした。しかし、江戸には間違いないでしょう。なにせ奉納が「井筒屋長兵衛」ですから。
眉毛がいいですねえ。
頭部には擬宝珠、あるいは角がはめ込まれていた穴が空いています。これは明治以降の狛犬ではあまり見られないので、やはり江戸期でしょう。

最後は本殿内の木造狛犬。これも古そうですねえ。神官に本殿内に入る許可を取る勇気がなかったので、無理な位置からの強行撮影です。

ところで、山田さんによれば、大平山には全部で7対の狛犬がいるそうです。残りの2対はどこに? 新しいものなら別にいいけれど、ちょっと気になります。やはり横着しないで、参道を下からきちんと登らないと駄目ですね。
ついでですが、神社下の山田屋の蕎麦は、なかなか美味です。
大平山神社本殿内 吽 阿像
■Data:大平山神社(栃木県栃木市平井町)1:ο建立年:不明(恐らく文政年間)。 2:ο建立年:不明。奉納者:願主 井筒屋長兵衛 3:ο建立年:不明。木造の神殿狛犬。 4:ο建立年:平成9年6月。 ο撮影年月・02年6月1日。


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