新潟県三条市周辺の狛犬(1)

2002年8月6日、三条市を訪ねて数社回りました。その中のいちばんの収穫がこれです。
(その2 以降は、後ほどということで、とりあえずは1ページのみ)

三十番神宮

梶田神社、白山神社、八幡宮、八幡公園と回って、最後に長久山 本成寺をたずねました。
ここはかなり大きなお寺ですが、通称・黒門と呼ばれる裏手のほうに、三十番神社というのがありまして、ここの狛犬が素晴らしい! 今日はこれだけで大満足です。

↑これです!
三十番神社 吽 三十番神社 阿
まず遠目にも分かるのはおかっぱ頭。笏谷石狛犬の特徴ですが、この石が笏谷石かどうかはちょっと自信がありません。
お腹の部分は腹毛を思わせるように細かな削り込みがしてあり、それが胸元にアーチ形のカーブを作っています。こうしたところが江戸狛犬とは思えぬ斬新さで、驚きました。
 前脚の付け根あたりには飛翼が彫られています。これも後期の笏谷石狛犬にはよく見られる特徴。
横から見たところ。細部のデザインが実に洗練されていて、驚かされます。  台座の後ろ側が丸く削られているのが分かるでしょうか? こんなところまでデザインしているんですねえ。
顔もこんなに細かく、巧みに彫られています。特に歯の彫り込みは見事としか言いようがありませんね。
様式から言って、江戸は間違いないんですが、さて、どの年代か。1600年代はちょっと無理かもしれませんが、1700年代あたりではないでしょうか。
弘前の3対ある笏谷石狛犬が寛文4(1664)年ですから、その少し後くらいではと思いますが、台座の銘があるんだかないんだか、まったく読めないのが残念。

尻尾
この尻尾も実に面白いですね。江戸はじめによくあるひも状の尻尾と、その後、炎形や渦巻き形になっていく途上を示しているかのようです。紐尾が残っているところに注目!

■Data:三十番神社(新潟県三条市西本成寺 1-1)
ο建立年月・江戸中期?。ο石工:不明。
ο撮影年月日・02年8月6日。


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