南福島の狛犬6
古殿八幡神社
冬の日没は早い。4時を過ぎるともう薄暗くなってくる。古殿町に着いたときは、4時を回っていた。

↑まず、でかさにびっくり。このくらいでかい。
↑形も実に不思議。台座を一体化し、獅子山風に仕立てている。瘤や髭の表現も巧み。構図もユニーク。特に吽のほうは、腹の下と顔の横に2匹の子獅子を伴っている。見る角度によって、表情も全体のシルエットも大きく変わる。

↑吽の顔。平べったい愛嬌のある顔だが、「へたうま」ではない。

↑吽の顔の横には、子獅子がもう1匹戯れている。
台座には「満州事変皇軍戦捷記念」と刻まれている。歴史背景を感じさせるが、石工は地元の人間らしい。一世一代の大仕事で、これほどユニークな作品を作り上げる度胸は大したものだ。それともこれはどこかにモデルがあるのだろうか? ご存じのかたはぜひ教えていただきたい。
(追記) これが初めて和平の狛犬に出会ったときの記録だ。1999年12月18日のこと。
その後、石川町の元助役・吉田利昭さんからていねいなお手紙をいただき、そこから一気に「神の鑿」の物語が発掘されていくのだった。
■Data:八幡神社(福島県石川郡古殿町)。ο建立年・昭和7(1932)年10月15日。ο石工・石川郡沢田彫刻師小林和平。撮影年月日・1999年12月18日。
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