続・弘前市周辺の狛犬(9)

 鬼神社に圧倒された後も、また県道31号線を北上します。

大石神社(弘前市貝沢)

大石神社(鬼沢)吽 大石神社(鬼沢)阿

 大石神社の本社?はもっと山寄りにありますが、道沿いに末社?らしき神社があったので一応撮影。
 ちょうどおばあさんが出てきて、怪しい男が狛犬のところに早歩きで近づくのを見て、不審に思ったのか、戻ってきました。
 この狛犬、奉納者は「大森貝沢老婦会」となっています。60数年前、この老婆はいくつだったんでしょう。少女時代に、この狛犬が奉納されたのを見ていたかもしれませんね。
 しかし、下手だなあ。憎めない下手さ。
■Data:大石神社(青森県弘前市鬼沢):
ο建立年月・昭和13(1938)年旧7月10日。  ο撮影年月日・01年9月22日。

大石神社(中津軽郡岩木町)

 岩木山方面に入って行く道を進むと、大石神社の本社があります。弘前周辺の神社はなぜか馬の像が多く奉納されているんですが、いわゆる「神馬」とも少し違う風習のような気がします。大石神社の境内には、数多くの馬の像が奉納されていました。先祖があの世へ行くための脚代わりなのでしょうか。
馬がいっぱい

 水屋に水を汲みに来ている人たちがいました。車の後ろに何十ものペットボトルを積んでいます。ラーメン屋さんか何かなのかしら。
 狛犬は慶応元年のもっこりしたやつがいました。
大石神社全景

大石神社 吽 大石神社 阿

 ちょうど雨が降り出してきて、こんな表情になっています。「はじめ」の雰囲気を残した慶応の作。なかなか味がありますねえ。
 さて、この大石神社の奥宮にも、妙なのがいましたよ。名付けで「首だけ狛犬」
 円丈師匠が名古屋で入手した「顔だけ狛犬」は、木製の神殿狛犬の顔を削り取って額に入れたという不埒なものでしたが、この首だけ狛犬は石造り。しかも、よく見ると台座と一体になっています。つまり、狛犬の首だけを切り取ったわけではなく、最初から首だけを彫ったんですね。へえええ。
大石神社 顔だけ狛犬
 顔だけ狛犬
こんな感じで、岡崎型量産狛犬と一緒にいるんですが……台座と一体になっているんですよ! なんとか慶一?という奉納者と、4月8日は読めるんですが、年号がない。多分側面に刻んであるんでしょう。柵を乗り越えてまで確認する勇気はなかったので分からずじまいです。

■Data:大石神社(青森県中津軽郡岩木町):
ο建立年月・慶応元(1865)年7月10日。ο石工 or 奉納者・須?三右エ門。  ο撮影年月日・01年9月22日。

次へ「弘前市周辺の狛犬」次のページへ進む
HOMEへ 狛犬ネット入口目次へ




狛犬ネット売店へ
狛犬ネット売店

『神の鑿』『狛犬ガイドブック』『日本狛犬図鑑』など、狛犬の本は狛犬ネット売店で⇒こちらです


狛犬かがみ全国書店にて発売中!
『狛犬かがみ A Complete Guide to Komainu』 全128ページ A5判 オールカラー(バナナブックス 2006年9月15日発売 1700円税込)
狛犬文化を体系的に解説・解明。全ページカラー。収録画像400点以上。日英両国語完全対応。日本が誇る狛犬文化・狛犬芸術の全貌を初めて全世界に発信! 詳細情報はこちら
アマゾンコムでの注文は→こちらから