続・弘前市周辺の狛犬(12)

高倉神社(西津軽郡鰺ヶ沢町小屋敷町)

 十腰内を過ぎると、鰺ヶ沢に入ります。鬼神神社には何もありませんでした。
 高倉神社で一応Uターンすることにしました。
高倉神社 吽 高倉神社 阿
 弘前周辺の狛犬の中には、尾がこのようにスパッと横にたちきられて、先がおろした筆先のようになっているものがいくつか見られました。この狛犬はその典型ですね。
 外に、本殿前の鈴の綱が、普通は鈴+綱ですが、綱そのものの表面に無数の小さな鈴を縫いつけてあるものが多く見られました。この地域特有のものでしょうか。
■Data:高倉神社(青森県西津軽郡鰺ヶ沢町小屋敷町):
ο建立年月・昭和24(1949)年旧8月17日。ο小屋敷村村中建立
ο撮影年月日・01年9月22日。

香取神社(弘前市富栄)

 さて、メインメニューも終了し、あとはゆったりと帰ることにしましょう。
 帰り道ではあまり収穫がありませんでした。どちらかというと、なんだかなぁ系が多いような。
香取神社吽 香取神社 阿
 狛犬の目を塗るのはやめましょう。これはまずいだろ。 しかも出っ歯。なんだかなあの極致。
■Data:香取神社(青森県弘前市富栄):
ο建立年月・昭和8(1933)年旧9月。 ο撮影年月日・01年9月22日。

神明宮(弘前市富栄)

 香取神社のそばの神明宮には、ライオン型の狛犬がいました。普通はこの手はわざわざWEBにはのせないんですが、ここは鳥居に鬼がいるのと、狛犬の性別の付け方が面白かったので紹介しておきます。
神明宮の鳥居

神明宮吽 神明宮阿

こんな狛犬です。さて、このうちどっちかが♂で、とっちかが♀なんですね。その証拠に、ちゃんとこのように彫り分けています
神明宮 吽 神明宮 阿のお尻
 どっちがどっちでしょう?
 答えは、阿が♀で、吽が♂なんです。普通は逆ですね。向かって右側の阿像が♂で獅子、左側の吽像が♀で狛犬というのが最も多いパターンです。しかし、中には、「阿は吠えているのは弱い証拠で、雌だ」などという解釈?をする人もいるようで、なんでもありなんですね。
 また、この狛犬、もうひとつユニークな点がありました。ずいぶん狛犬を見て回りましたが、記憶にある限りこれが初めてです。さて、なんでしょう? ヒントは「台座」です。答えは



















算用数字の年号

答えはこれです。なんと、台座の年号が算用数字! 昭和31年だから、まあ新しいと言えば新しいんですが、それでも、算用数字の年号を刻んだ台座は初めて見ました。
■Data:神明宮(青森県弘前市富栄):
ο建立年月・昭和31(1956)年9月15日。ο石工など・不明
ο撮影年月日・01年9月22日。

熊野宮(弘前市堀越)

 腹も減ったし、後は帰るだけ。大鰐弘前ICに出る手前、最後に寄った神社は堀越城趾にある熊野宮。ここには末社も含めて3対いました。
熊野宮2の吽 熊野宮2の尾
 これは2番目の狛犬の吽。眉毛?のラーメン模様みたいな彫り込みといい、全体に装飾がやたらとある狛犬です。右は阿像の尻尾。このように先がV字に開いている尾の狛犬も、今回の旅行ではかなり見かけました。
 横の末社には、サンタクロース髭の狛犬が……。
熊野宮の3
■Data:熊野宮(青森県弘前市堀越):
その1:
ο建立年月・昭和3(1928)年旧3月3日。ο石工など不明。
その2:
ο建立年月・明治42(1909)年旧10月5日。ο石工・蔵本?エ門
その3(横の末社):
ο建立年月・昭和6(1931)年。ο石工など不明。
ο撮影年月日・01年9月22日。

 これで「続・弘前周辺の狛犬」リポートは終わりです。ご観覧、お疲れさまでした。
 余談ですが、大鰐弘前IC手前にある「道の駅ひろさき」は素晴らしいですよ。地元の特産物などが所狭しと並べられています。餅、豆腐、菓子など、地元の婦人部が無添加・地元材料にこだわって作っているオリジナル商品もふんだんにあり、帰りが電車でなければごっそり買い込みたいところでした。残念。

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