青森県の狛犬(4)弘前市周辺の狛犬

 翌日、岩木山に登るために一路西へ。弘前を出る直前に、保食神社というところで奇妙な狛犬を見つけました。
 弘前八幡宮境内にあった保食大神と同じ名前の神社。こちらが本社なのかもしれません。
 なんとこの狛犬、目が青く、しかも鼻が天狗のように長いのです。青い目の天狗狛犬! 不思議だ。

■保食神社(弘前市平岡町)


■Data:保食(うけもち)神社(青森県弘前市平岡町):ο建立年月・昭和11年旧8月23日。ο奉納者・平岡町納税組合。ο撮影年月日・97年7月19日。


■革彦稲荷


 一見普通の狐ですけれど、よく見るとじわっと味があります。最近の量産型狐はみんな眉根に皺を寄せている貧相な顔で好きじゃないんですが、この狐は風化の具合や、狐ではつきものの「耳の欠損」も味になっていて、見れば見るほどいい狐。
■Data:革彦稲荷(青森県中津軽郡駒越):ο建立年月・明治18年旧3月10日。ο撮影年月日・97年7月19日。


■羽黒神社



 中津軽郡に入り、まずは羽黒神社という山の中の神社を参拝。
 この狛犬、一目見ただけで「やった!」と声が出るほど不思議な狛犬でした。顔が奇妙だし、背中には羽のようなものがついている。脚にも羽か鰭か分からないようなものがついていて、まさに「想像の産物」。しかも造形的に見ても非常にバランスよく、前脚のカーブなどは実に現代的。作者を見ると「山内三次郎」……ん? どこかで見たような名前……と思ったら、前日、弘前八幡宮の前の道で見た、あの「犬顔の狛犬」の作者ではないですか。
 これぞオリジナリティ! 山内三次郎、惚れたぜ。
 

 
■Data:羽黒神社(青森県中津軽郡岩木町)//ο建立年月日・明治20年6月2日。ο石工・弘前石工 山内三次郎。ο奉納者・宮地村若社中、三上藤吉・宇三郎 他3名。ο撮影年月日・97年7月19日。

  

⇒次へ続く


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