由緒正しき狛犬

 参道狛犬はほとんどの場合、屋外に置かれ、ひどいときには作者不詳、制作年代不明というものもあり、いわゆる美術工芸品や文化財という意味からは無視され続けてきました。
 参拝者にしたって、狛犬をまじまじ眺める人はとても少ないようです。でも、中には、日本最古の〜とか、重要文化財指定などという由緒正しい狛犬もいます。そうした狛犬が「よい狛犬」なのかどうかはさておき、ここに紹介したものはどれも逸品であることは間違いないでしょう。でも、私はもっと名もなき、とぼけた狛犬のほうを愛しているんですけれどね。




←→これは東大寺東大門・仁王像の裏に建っている狛犬。石造りでは最古のものらしいんですが、奈良公園を訪れる人たちのどれだけが注意を払っているかは疑問。でかいので、下から見上げるしかなく、表情がいまひとつ分からないのが残念。


←→鞍馬山登山口にある由岐神社の狛犬。重要文化財指定の狛犬はとても珍しいんですが、高い位置に置かれていて見えにくいのが難点。


 ←→奈良公園の中にある手向山八幡宮の狛犬。運慶の作ということなので、製作年代は鎌倉時代。これは木彫りの狛犬で、屋内に配置されている「神殿狛犬」です。

  

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