第３回 小松寅吉・小林和平作品ツアー 9
坂本の観音様
寅吉狛犬の最高傑作がある鹿嶋神社（西白河郡東村）のほど近くに、「坂本の観音様」と呼ばれている小さな社があります。そこには、寅吉父子が残した馬の像があるのですが、残念ながら、亀之助が彫ったほうの馬は後に崩壊したらしく、今では別の石工が彫ったコピーに代わっています。
上の写真↑、大きい画像のほうが寅吉が彫った雌馬像。小さいほうは、もともとは亀之助が彫った雄馬像です。現在の雄馬像は、高坂庄司という石工が彫ったもので、いちばん下の台座にのみ、オリジナルを彫った亀之助（小松布行）の名前が残っています。
やはり寅吉が彫った馬は見応えがあります。
夕陽を浴びてシルエットになっている図なども、実に生き生きしていてはっとさせられますねえ。
■Data：坂本観音の馬（福島県西白河郡東村坂本）
雌馬：
ο建立年月・明治40（1907）年3月（台座の銘。説明板には明治37年3月18日とある）。ο石工・福貴作 布孝
雄馬：
ο建立年月・昭和10（1935）年3月再建（オリジナルは小松布行）。ο石工・浅川村里白石 高坂庄司
ο撮影年月日・2004年7月24日。
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