第二回 小松寅吉・小林和平作品ツアー 1

火事 2004年4月16日、17日、再び、寅吉・和平の作品ツアーを敢行?しました。前回見落とした作品を確認するのと、和平の墓参り、さらには、NIKON D70というレンズ交換式デジタル一眼レフを買ったので、「背景がぼけた」写真を撮り直したいというのが目的です。7月に『デジカメ写真は撮ったまま使うな! ガバッと撮ってサクッと直す』(岩波アクティブ新書)という本を出すので、よい写真が撮れればそこに収めようとも思っていました。
前回は宿にした須賀川に着いたのが日没後で、市内の神社などを見られなかったため、今回は夕方には須賀川に入り、いくつか神社を巡りました。
牡丹園に寅吉の作品があるということは、市内の神社にも寅吉・和平の作品が残されているだろうと思ってのことです。

須賀川に入り、2つ目の神社に行く途中、なんと民家の火事に遭遇。まだ消防車も到着していない段階でしたが、すでに手がつけられないほど火が回り、隣家2軒も類焼(全焼)という悲惨さ。
周囲の田園風景ののどかな風情とのアンバランスがなんとも……。
市内の鎌足神社に行ったときも、まだ家は燃え続けていて、石段の上からそれを見ている近所の人たちに声をかけられました。
狛犬を見て回っていると説明すると、「ここの小さいほうは相当古いよ」とのこと。
境内には中くらいの狛犬と小振りな狛犬がいて、台座にはそれぞれ、昭和19年と昭和61年と刻まれていました。
しかし、小さいほうの狛犬が昭和61年ということはないでしょう。恐らく、台座を組み替えたのが昭和61年なのでは? でなければ、古い江戸狛犬を昭和61年に再建した(レプリカ制作)のかもしれません。狛犬の形は古そうでしたが、石はそれほど摩耗していませんでしたから。
さっそくD70での撮影。背景がきれいにぼけてくれれば成功なのですが、まあまあ……こんなもの。
D70には、前から持っていたニッコールF1.4 50mmという固定焦点レンズをつけて撮影したのですが、D70の説明書によれば、DタイプかGタイプのCPUレンズ(AFレンズ)が推奨とのこと。Dタイプではない旧タイプのAFニッコールであることが不安材料でしたが、事前のテストではオートフォーカスや露出なども問題なく動いていたので、大丈夫だと思っていました。
しかし、どうもこのF1.4を使うと、ピントがずれるみたいなのですね。色もなんとなく不自然なことが多いし……。なんだかなあ。背景がぼけないことを除けば、今までのSONY F707のほうがずっときれいな写真が撮れるのですね。困った困った。
鎌足神社
上の写真↑はSONY F707で撮ったもの。下の2点↓はNIKON D70+DタイプではないF1.4 50mmをつけて撮ったもの。確かに背景はぼけるんですが……。ちなみに、写真はIrfanViewでかなり補正しています。
時間がなくて、あまり回れませんでしたが、ちゃんと探せば須賀川にはたくさんの狛犬がいそうです。
これは↑十念寺という寺院境内にいた狛犬。安政5年。石工・忠吉。
顔は今イチですが、彫りが深く、なかなかの大作。
他、いくつか回りましたが、ハイライトは旭宮神社。次のページで。

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