神の鑿(のみ) 寅吉・和平の世界

寅吉・和平の世界11

墓職人としての寅吉

 石工の仕事は、昔も今も墓地関連が多い。
 現代の石屋はただの「墓石販売・施工業」になってしまったが、寅吉は墓地関連の仕事でも遺憾なく実力と個性を発揮した。
 明治26(1893)年7月、49歳のときに制作した佐久間由松の墓石(東村下野出島 神宮寺墓地内)は、下に亀、上に鶴を配した凝りに凝ったものだ。天に向かって高く伸ばした鶴の首は、幸いにも110年以上経った今日でも折れていない↓


 他にも、寅吉が手がけた墓地彫刻作品としては、
明治40(1907)年、寅吉63歳 白河市向寺 聯芳寺墓地 鈴木寛治の墓。「彫刻師小松布孝 同布行」
明治42(1909)年、寅吉65歳 棚倉町堤 長慶寺墓地長田家の墓。「福貴作石工 小松布孝 布行」
制作年不明、浅川町小貫 貫秀寺墓地鈴木家の墓。「銘なし」
 ……などがある。
鈴木寛治氏の墓
聯芳寺墓地 鈴木寛治氏の墓 詳細はこちら

長田家の墓
長慶寺墓地 長田家の墓 詳細はこちら

鈴木家の墓
貫秀寺墓地 鈴木家の墓 詳細はこちら


 これだけの墓を発注できる家というのは相当な財力を持っているのだろうが、今後は、たとえ金を積んだとしても仕事ができる石工がいなくなる時代になっていくのではなかろうか。

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