狛犬はこう撮れ




前の項で、撮像素子の大きなカメラ(ミラーレス機のNEX-5R)、ズーム比が大きな高級レンズ一体型(Stylus1)、レンズが明るいコンパクト機(XZ-10)を使った比較をしましたが、この3台でどれだけ撮れ方が違うのかをもう少し見ていきましょう。

この差をどう受け入れるか


OLYMPUS XZ-10
1/160秒、F2.4、ISO 160、14.40 mm(81 mm)相当


OLYMPUS STYLUS1
1/160秒、F2.8、ISO 400、46.70 mm(220 mm相当)


SONY NEX-5R + SONY 50mm/F1.8
1/400 秒、F1.8、ISO 320、50.00 mm(75 mm相当)


この3枚はそれぞれのカメラで、神社に入って狛犬を見つけて、その場でサッと構えてパッと撮った……という想定です。
同じ位置から撮っていますが、なるべく背景をぼかしていい感じに写るよう、XZ-10は最望遠で、Stylus1もかなりの望遠で撮っています。NEX-5R+50mmは単焦点レンズなのでズームはできませんので、大体全体が収まりそうな位置に自分が移動して撮るしかありません。
28-300mm相当のズームでありながら全域でF2.8を確保しているStylus1が結構健闘している印象があります。ズームすることによって被写体である狛犬がしっかり前に出てきます。

石の質感、階調の深さも、APS-CサイズのNEX-5Rに負けていません。1台しか持っていけないとしたら、Stylus1は極めて万能なお勧めモデルです。

寄りすぎると形が歪む


XZ-10
4.70 mm(26 mm相当)


XZ-10
23.5.mm(130mm相当)

焦点距離の短いカメラで背景をぼかす方法として、思いきり被写体によって、背景との距離の比率を大きくするという手法があります。しかし、広角で被写体によると被写体は歪み、本来の形とかけ離れた写り方になるので注意が必要です。
上の2枚は同じXZ-10で撮っていますが、1枚目は広角端(26mm相当)で、2枚目は望遠端(130mm相当)で、画面一杯に狛犬の顔を収めて撮りました。
1枚目の顔が歪んでいるのが分かりますね。
広角で撮ると、寄って被写体を画面一杯に入れたとしても隙間から見える背景の写り込みも多くなります。望遠で撮れるなら望遠側で撮ったほうが正確な形で記録できます。
この場合、普通のカメラだと望遠側でのF値の落ち込みが激しく、一気にF5.6やF6.3くらいになってしまうものがほとんどです。そうなると少しでも暗い場所だと手ぶれしてしまいますので、使えません。その点でも、望遠端でF2.7という明るさを誇るXZ-10は非常に有利です。
ニコンのP340などもいいカメラですが、24-120mm相当でF値がf/1.8-5.6。広角側の開放F値はXZ-10と同じ明るさですが、望遠端では一気に暗くなります。

また、言うまでもないことですが、フラッシュは絶対に使ってはいけません。狛犬は石なので表面が光を反射して光ってしまい、ひどい写真になります。

バリアングルモニターの威力





上の3枚は、すべてStylus1で撮っていますが、バリアングルモニター(角度が変えられる背面液晶モニター)を使って、上から見下ろしたり、下から仰ぎ見る感じで撮っています。

上から撮る

Stylus1のバリアングルモニター

狛犬は高い台座にのっていたり、地面に直接置かれたりしているものがありますから、カメラを自由に構えられることは非常に重要です。
残念ながらコンパクト機でバリアングルモニター搭載モデルというのはほぼありません。XZ-10もモニターは固定式です。
ですから、XZ-10ではカメラを頭上高く掲げた格好で撮ろうとするとモニターが覗けず、狛犬がきちんと収まってくれません。
Stylus1やNEX-5Rはバリアングルモニターなのでこれが可能です。
高級機やレンズ交換式カメラを購入する際は、モニターが角度可変かどうかは非常に重要なポイントです。

NEX-5Rはモニターはバリアングルですがファインダーがありません。これも結構なマイナスポイントになります。ファインダーを覗くポーズのほうがカメラが安定して手ぶれしにくくなるのはもちろんですが、これ以上後ろに下がれない(背後に大木や塀、崖があるなど)場合、モニターを覗くためにはある程度顔からカメラを離さなければならず、距離が稼げないからです。
Stylus1はその点、高精細な電子式ファインダーが内蔵されているので、ファインダーでも背面モニターでもOKというところが大きな魅力です。

次のページでは、さらに細かなテクニックや注意点について書きます。


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