狐の研究(2)


キツネの法則2:キツネは壊れやすい

 キツネは全体に細く、尻尾なども身体と離れて直立させて彫ることが多いので、何かの拍子によく壊れます。数百年前の狛犬が今でも立派に残っているのに比べ、昭和の新しいキツネがどんどん壊れていきます。
 トルソー狛犬のように、壊れ方に味があればいいのですが、多くの場合はただ「ああ、壊れたキツネだ」という印象しか残さず、粗末にされます。
 
 

 ▲上(左):福島県会津若松市鶴が城公園内稲荷社の「足だけキツネ」
 下(右):岩手県盛岡市榊山稲荷の参道口を守るキツネ。この稲荷の参道には何対ものキツネがいて、ほとんどが欠けていますが、どれも不思議に味があります。前のページの冒頭にある私とのツーショットもこのキツネです。


キツネの法則3:よってキツネは消耗品扱いされる


 壊れやすく、文化財的な価値も狛犬以上に軽視されているキツネたちは、ほとんど「消耗品」として扱われます。稲荷社の裏手などには、キツネの墓場とでも呼べそうな場所がよくあります。でも、こうしたところに捨てられているキツネはまだいいほうなのです。多くの場合、「みっともない」という理由で処分されます。粉々に砕かれて搬出されているはずです。
▲青森県弘前市八幡宮の境内にある開運高山稲荷社の裏手に奉納されているキツネ群。このように大切に保管されている神社は意外と少ない。このキツネ群、どれも個性的かつ愛らしい。


次へキツネの研究(3)へ続く
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