狐の研究

 稲荷神社には、狛犬の代わりにキツネがいることが多いのですが、狛犬に比べると、キツネというのははっきり言えばつまらないものが多いんですね。
 でも、だからこそ個性的なキツネに出逢ったときの喜びはひとしおです。
 このコーナーでは、キツネの研究と称し、全国の神社で出逢ったキツネたちを紹介していきます。

キツネの法則1:キツネはつまらない

 狛犬の原型は獅子だと言われています。明治時代以降まで、日本人はライオンというものを見たことがありませんでした。それ故に、想像力や開き直りで、個性豊かな狛犬たちが生まれたわけです。
 しかし、キツネは昔から日本にいます。タヌキと並んで庶民にも馴染みのある当たり前の動物です。だからでしょうか、神社にいるキツネのほとんどは定型化され、面白味に欠けます。表情もどこか眉根に皺を寄せているような神経質なものが多く、好きになれません。
 ところで下の2匹のキツネ、どちらが「いいキツネ」だと思いますか?
京都府久御山町・与杼(よど)神社境内にある稲荷社

小千谷市上ノ山5丁目・梨子崎神社

 さて、あなたはどちらのキツネが好きですか? 最初の与杼神社の境内社稲荷のキツネはよくあるタイプです。小千谷の梨子崎神社のキツネのほうが味があって個性的ですね。

いいキツネを探すというのは、多くの大量生産型キツネに出逢いながら、「それ以外のキツネ」の個性や味わいを見つけるということでもあります。
岩手県盛岡市天満宮

青森県弘前市八幡宮の土産物屋の前
こちらはどちらも個性のあるキツネ。岩手県盛岡市天満宮は啄木が詩に詠んだ素朴な狛犬がいることで有名ですが、隣にいるこのキツネもなかなかのものです。
弘前八幡宮の土産物屋の前にいるキツネは額が二つに割れているところに注目! これもいいキツネですねえ。


次へキツネの研究(2)へ続く
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