鹿沼狛犬街道(3)

もう少し先、今度は左側に、大葦神社があります。
このへんの神社はほとんど「猿田彦大神」と刻まれた石碑があり、どうやら出雲系のようですね。
古峰ヶ原は修験の霊山でもあり、天狗系ですから、当然、神社も天津神系ではないということでしょう。

大葦神社

大葦神社全景

こんな感じの神社です。入り口すぐのところに小さな江戸かな?という狛犬がいるのがすぐに目に入ります。
大葦神社吽
吽 阿もそうなんですが、この尻尾が逆ぞりしているのが特徴的ですね。


大葦神社阿
阿 建立年は読みとれなかったんですが、「北条氏女伊奈」「石工 石福」というような文字がなんとなく読みとれます。「北条氏女伊奈」は奉納者でしょうが、この書き方からしてやはり江戸時代は間違いなさそうです。


で、この神社にはさらにもう一対、江戸狛犬がいます。
社殿前で相当苔むしているんですが、これです。
大葦神社の2
大葦神社2の吽
吽 なぜかこっちのほうが苔むし度が高いですね。


大葦神社2の阿
阿 角 or 擬宝珠付き。

顔の拡大
吽 口の下が赤く塗られているので、一見「阿」のように見えますが、よく見ると閉じていて、しかめっ面なんですよね。


阿像の顔
阿 こちらは口をちゃんとくりぬいています。

吽像
吽 背中の渦巻きがとてもアーティスティック。


背中側
阿像の背中側から。尻尾が逆ぞりしているのは、加園八幡の江戸狛犬と同じですね。入り口の狛犬も尾が逆ぞりしていましたし、この地域のはやりだったのでしょうか。

■Data:大葦神社(栃木県鹿沼市下大久保):
入り口の江戸狛犬: ο建立年月・不明。ο奉納・北条氏女伊奈?。ο石工・石福?。
奥の江戸狛犬: ο建立年月・不明。
ο撮影年月日・02年10月25日。


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