狛犬新聞「狛犬の杜」編集長・あゆはさんからご意見をいただきまして、修正版を作ってみました。

雛形その2
市区町村コード 02341
住所 青森県中津軽郡岩木町宮地
神社名 羽黒神社(岩木町)
狛犬さん番地 036-1341A
記録媒体 PN(97-88)
建立年月日 明治20年6月2日
建立年(西暦) 1888
石工 山内三次郎
寄進など 宮地村若社中 三上藤吉・宇三郎 他3名
素材
大きさ
記録年月日 97/7/19
分類 オリジナル?
一言コメント 八幡宮参道前の「犬顔」狛犬と同一作者。どちらも非常にユニーク。作家系のはしりか?
記録者 鐸木能光




 

●データ項目として、市区町村コードと建立年の西暦年号を加えました。
 


 市区町村コードというのは、通商産業省工業技術院が日本工業規格(JIS)として1970年4月1日に官報告示したもので、全国の都道府県・市区町村にふられたこのコード番号は、役所が発表する統計資料などに利用され、基本的にはすべてこの順番によって整列されているそうです。
 コードは5桁で表され、その構成は、最初の2桁が都道府県、次の1桁が郡または市、下2桁が各市町村固有の識別コードとなっています。
 郵便番号は北から順番に振られているわけではないので、ソートしたときに地理的順番で並んでくれません。そこで、このJISコードを併用することを考えました。
 このコードの最初の2ケタは都道府県を表すわけですが、北海道は01、沖縄県は47で、北から順番に並びます。  3ケタ目は郡か市を表わしています。つまり、

         3ケタ目が1なら東京都23区および政令指定都市
       2なら市
       3以上は郡か町か村

 新郵便番号と市区町村コードを一覧できるCSVファイルをご希望の方は、たくきまで連絡を。

 ●「狛犬番号」の名称変更


「狛犬番号」は狛犬さんに対して失礼ではないかという話があり、「狛犬さん番地」と名称変更しました(仮)。狛犬さんに番号を振るのではなく、あくまでも狛犬さんがいる場所に番号を振るという意味です。これなら失礼ではないかと……Θ_Θ;。

 

●住所の表示に郵便番号を入れるか入れないか?


 入れたほうがデータとしては検索しやすい気もしますが、新郵便番号の同定はかなり面倒な作業でしょうから、狛犬さん番地の上7桁がその住所の郵便番号ですから、ここはとりあえず郵便番号なしにしておきます。後からデータを追加したり訂正したりするのにも、そのほうがよさそうです。

 

●データはCSVファイルで


 データはCSVファイルにして一か所に集め、結合させます。CSVというのは各データ項目を半角のカンマ(,)で区切り、次のデータとの間は改行で区切るという形式のテキストファイルです。つまり、パソコンがなくてもワープロでも作成可能です。
 上の表をCSVにするとこうなります。

市区町村コード,住所,神社名,狛犬さん番地,記録媒体,建立年月日,建立年(西暦),石工,寄進者,素材,大きさ,撮影(記録)年月日,分類,一言コメント,記録者
02341,青森県中津軽郡岩木町宮地,羽黒神社(岩木町),036-1341A,PN(97-88),明治20年6月2日,1888,弘前石工 山内三次郎,宮地村若社中 三上藤吉・宇三郎 他3名,石,中,97/7/19,オリジナル?,八幡宮参道前と同じ作者,鐸木能光



 CSVファイルのいちばん上の行には、必ず項目名を入れます。
 では、次に各項目記入にあたっての注意事項訂正版です。
狛犬データベースサンプル
市区町村コード 02341
 ↑すでに説明しましたように、このコードでソートするのがいちばん美しい結果が得られるように思います。
住所 青森県中津軽郡岩木町宮地
 ↑郵便番号は省略することにしました。県名から入れます。
神社名 羽黒神社(岩木町)
 ↑神社の名前は同じものが多いので、紛らわしい場合はこのように括弧を使って町名を入れるなどして区別できるようにします。また、神社ではない場所に狛犬がいる場合も多々ありますが、その場合は、「○○山頂」とか、「○○町▲丁目路地脇」などと、分かりやすく簡潔に表記します。お寺の場合はもちろん寺院の名前がここに入ります。
狛犬さん番地 036-1341A
 ↑狛犬さんのいる場所のコードです。最初の数字はその狛犬がいる住所の郵便番号です。次のアルファベットは同一町内に複数の狛犬がいた場合に備えて識別符号です。複数の記録者が異なったアルファベットを振る場合がありますが、それは後日一つ一つ確認しながら決めるしかないでしょう。また、同一神社などに複数組の狛犬がいる場合は、このアルファベットの後ろにさらに1、2、3……と番号を振ります。この羽黒神社には狛犬が一対しかいませんが、2対いれば、036-1341A1と036-1341A2になります。末尾の番号は原則として一の鳥居側から順番に振ります。
記録媒体 PN(97-88)
 ↑記録媒体とは、写真やスケッチなど、狛犬を記録した媒体のことをいいます。ポジフィルムはP、ネガフィルムはN、スケッチはS、ビデオはVとします。複数ある場合はカンマなしで列記してください。
 これはインターネット上でその画像を見られるということではなく、あくまでもその狛犬の画像データが存在するのかどうか(見て記録しただけで写真を撮らなかった場合もありえるから)を知るためのものです。
 写真の整理のために個人で独自の番号などを振る場合もあるでしょう。その場合は()内に書いてください。その人にしか意味のないデータですが、提出する際に削除するのも面倒でしょうから、このように処理します。
建立年月日 明治20年6月2日
 ↑建立年月日は和暦で書き込みます。台座の銘がほぼ100パーセント和暦であることから、正確を期して和暦表示にします。また、「昭和の狛犬」「明治年間の狛犬」といった検索をかけたいときにも、和暦のほうが便利です。
 ○月吉日などという表記のものはそのまま書いてもいいですし、月だけでもOKです。「旧8月15日」などと書いてあるものもありますが、こういう場合はそのまま書きましょう。なお、数字は検索しやすいように算用数字(半角1バイト文字)に直します。
建立年(西暦) 1888
 ↑建立年月日の西暦表示ですが、西暦と和暦では月によって年号がずれる場合があり、正確なデータにはなりにくいので、あくまでも目安です。数字は検索しやすいように算用数字(半角1バイト文字)で記入し、「年」は省略します。
石工 山内三次郎
 ↑石工名は必ずしもその狛犬を刻んだ石工ではなく、石屋の親方の名前であることも多いようです。そうしたケースを推測するためにも、この欄はなるべく書いてあるままに記録してください。「○○町 石工 山田寅吉」のように町名が入っていたり、「石工石佐」というような表記であったり、「山田寅吉作、石井松之助製作」のように分担が併記されているものなどさまざまですが、極力刻んである通りに記録します。
寄進など 宮地村若社中 三上藤吉・宇三郎 他3名
 ↑ここはあまりにも多すぎて書ききれない場合もあると思います。適当に省略しても仕方ないでしょう。寄進、願主、奉納、寄贈、などいろいろな表現で記されていますが、その文句を正確に記すかどうかは記録者に任せます。
素材
 ↑本当は「安山岩」「花崗岩」あるいは「小松石」など、正確に記したいのですが、石の専門家でも古くなって苔むした石の判定は難しいので、最悪の場合、単に「石」「陶器」「木彫り」などとしてもかまわないと思います。
大きさ
 ↑もちろん正確に「高さ○センチ」などとしてもいいのですが、それは無理でしょうから、大まかに大中小と分けてみました。大は高さが1メートルをはるかに超えるもの。中は50から1メートル程度。小は50センチ以下という目安です。とてつもなくでかいものは「特大」、盗めそうなくらいΘ_Θ;ちいさいものは「極小」という区分を入れてもいいと思います。
記録年月日 97/7/19
 ↑その狛犬を撮影した(記録した)日を、半角数字と半角スラッシュで。これは西暦で。
分類 オリジナル?
 ↑ここは非常に難しいと思います。いわゆる「円丈分類」でも、「江戸はじめ」「昭和」などはある程度分かりますが、それ以上はなかなか判別できないでしょうし、また、分類方法は個人によって差があってしかるべきだとも思います。とりあえずはご自分のやりかたでかまわないということにしないと、無理が出てきそうです。自分以外の研究者の分類法は、なんとなく推し量って想像するしかないですね。
一言コメント 八幡宮参道前の「犬顔」狛犬と同一作者。どちらも非常にユニーク。作家系のはしりか?
 ↑印象やメモしておきたいことを短めに。なんでも結構。
記録者 鐸木能光
 ↑最後に記録者の名前を入れます。


 以上がたたき台その2です。まだ重要な項目が抜けていると思われるかた、いいアイデアがあるかた、狛犬掲示板に書き込んでいただけると助かります。

たたき台その1を見る
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